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2023年12月16日

おにクルについて

おにクルの設計者である伊東豊雄さんが出演された最後の講義(Eテレ)を見ました。その中で一番印象的だったのは、公共建築は、”管理者が管理しやすいように作られている”という話です。
なるほどなぁ、公共の建物からはこちらに何も語りかけて来ないし、ましてや優しく迎え入れてくれる雰囲気や温かみなど一切感じられない。
むしろ、邪魔せんといて〜、と排他的な感覚を覚えることがある。

今まで言葉にできなかった違和感がスッキリしました。

毎日のように隣の市役所本館からおにクルを見ているのですが、老若男女、幅広い世代の方が来館しています。(時間帯によっても年齢層が変わります) 2週間で来館者10万人を突破しました!
おにクルは、様々な立場の人を温かく迎え入れてくれる雰囲気を持っていて、中に入ると身体的な心地良さがあります。
各階をしっかりと区切らずそれぞれのフロアの空気が感じ取れる仕掛けがあったり、中と外を明確に仕切ることをしないとか、画一的でない多様なくつろげるスペースがあることなど建築的な工夫が素晴らしいなって感じます。

と同時におにクルに大きく影響しているのは、長い時間(3年程度)をかけたイバラボ広場での様々なチャレンジがあると感じています。

市民会館が壊された後の敷地を芝生広場として整備し、チャレンジブルな市民活動を取り組んできたことで、様々な立場の数多くの人々の想いの念が、いわば、念子(念の粒子)として蓄積され、その想いの念子がおにクルの中に溶け込んでいるのだと思います。
そのことが、管理者が管理しやすい建物ではなく、使う人々が使いやすい空間を創出することにつながってるんやろなって思います。

実際にオープンスペースでは色んな市民活動が行われています。
(下の写真は、私が主宰している合気道茨木研究会にて「心と身体を整える呼吸法」を1階のオープンスペースで実施した様子です。当日に飛び入り参加される方も数名いらっしゃって、”日々何かが起り、誰かと出会う”が生まれました。)

「育てる広場」がコンセプトのおにクル。これからも色んな活動が行われてこの空間が広場として育って行くことにワクワクします。

どんな広場になるんやろ…、ドラえもんに出てくるコンクリート製の土管が置いてある”はらっぱ”みたいな雰囲気になったらええなって勝手に思ってます。

 

【以下はTVを見ての私のメモです。】

建築とは設計するとは何なのか?を考えて欲しい
建築で日本の社会を変える人が出てきて欲しい

自然界に直角に交わるものはない
曲線にした方がよい
諏訪湖に住んでいたことが影響している

コルビジェ
機能性、合理性
住宅は住む為の機械である

大学では、建築とは論理的なものだと思っていた
菊竹事務所に入ったら
頭でなく身体的に考える
頭で考えたことは2.3日で変わる

身体的にものを考える
感じることでしょ!?(ちょっと戸惑ったら小学生から)

近代主義の建築へ疑問

流動的な空間
自分の空間の特質を表している

公共は管理者が管理しやすい建築
利用者に喜ばれないのなら徹底的に美しい建築を作るしかない

仮設住宅は近代主義でできている
機能で部屋がわかれる

震災を機にみんなの家
木の温もりのある家

建築とは都市を考えると思っていたが、そうではない人がたくさんいる。
建築とは、何だろうとあらためて考えさせられた。

岡本太郎
文化カルチャーは、
耕すカルティベイトからきている
地域に根付いて長い時間をかけて育っていくもの。
近代主義の建築は、文化を捨てて文明だけでできている
近代主義の建築は、中と外を分ける
空調の効率など

日本建築は、土間、縁側、外と中が連続することで成り立っている

技術によって人は自然を克服できる!それは違うと気付いた。

心の安らぎを与える建築を作りたい
生きる力を与える建築

考える前に跳べ